世羅台地の「ヒョウモンモドキ」 in2014.06.07広島県①
2014年 06月 10日
「ヒョウモンモドキ」はかって本州各地14県に生息していたものの、現在では
広島県の一部の地域「世羅台地」付近のみとなってしまったようです。*1、*2
現地では、①生息環境の保全、②域内飼育の2本柱の保全活動を、地元の
皆さんのボランティア活動に支えられて行われています。その成果により危惧
する点はまだまだあるものの、少しずつ生息地回復しているように感じました。
今回は、「域内飼育」の簡単なボランティア活動を手伝い、ヒョウモンモドキの
色々なシーンを観察出来たので報告します。
まずは「幼虫」の食草の「キセルアザミ」周辺の草むしりです。
湿地の中で中腰になり1本、1本抜く草むしりは、僅かな時間しか行いません
でしたが結構ハードでした。ボランティアの皆さんの苦労を痛感しました。
雌は、成熟するとキセルアザミの葉の裏に塊状に卵を産み付けます。*1、*2
キセルアザミはこの時期写真の通り丈が低いので、単子葉植物を中心とした
背の高い他の植物に囲まれています。それ故に産卵しやすくする為に草むし
りが必要とのことです。Ⅰさんによると毎年産卵するまで祈るような気分だそ
うです。
草むしりをしていると「蛹」が見つかりました。「野外フィールドではまず見つ
からない」*3とのことなので、草むしりの疲れが吹き飛びました。
ホルスタイン牛のような白黒模様がとっても素敵ですね!
ヒョウモンモドキの裏翅の独特な模様は淡い色合いが、とっても素敵です。
写真や版画の題材には最適な意匠ですね!ちなみに上が雄、下が雌です。
雌の裏翅が大好きです。
ヒョウモンモドキの表翅は、他のヒョウモンモドキの仲間や、ヒョウモンチョウ
の仲間に比較的近似しています。上の雄の表翅の模様結構お気に入りです。
下の雌は表翅を上手く撮影出来ませんでした。
次の軽作業は、地元のボランティアの方が、集めてきてくれた大量の「ノアザミ」
の花を「水切り」して花瓶に活ける作業です。
最初の「草むしり」のところで書きましたが、ヒョウモンモドキは雌の産卵には、
吸蜜による栄養補給が必須です。その為に「生息環境保全」活動として、食草の
「キセルアザミ」だけでなく、吸蜜用の「ノアザミ」を生息地に植えていました。
「域内飼育」では、「ノアザミ」の花を飼育ゲージに置いていく作業を行いました。
地元のボランティアの方に厚手の手袋を借りての作業ですが、アザミの棘が直接
肌に触れると結構チクチクします。
雄の交尾までに成熟が必要な為Ⅰさんによると「ノアザミ」の吸蜜は必須とのこと
です。上の写真の通り「ヒメウラナミジャノメ」などの蝶と比べて性格が穏やかなの
で生き残るのは難しそうです。
心配しながら観察していると交尾ペアが見つかりました!
あとは、雌がタップリ吸蜜し、成熟して、沢山の卵隗を草むしりした「キセルアザミ」
に産んで欲しいものです。
ご指導いただいた地元のボランティアの皆さん、Ⅰさん有難うございました。
in2014.06.07広島県
*1 ヒョウモンモドキ:日本チョウ類保全協会
*2 「世羅台地の自然めぐり」展part12:大田庄歴史館
*3 原色日本蝶類生態図鑑(Ⅱ):保育社
ボランティア活動のお手伝い、お疲れさまでした。
ヒメウラナミジャノメとのツーショットを見るとあまり大きくない感じですね。
とても繊細な色使いの美蝶、いつまでも見られるよう祈ります。
きれいで貴重な蛹を発見されたのはご褒美だったのでしょう ^^
優しげな印象のチョウ、翅模様もおっしゃるように本当に繊細で美しいです
いつまでも生き残っていってほしいですね!
近くなもので、土地に親近感はあるんですが、このチョウにはいまだ
親しめていません(笑)チョウが種を保つための皆様のご尽力に頭が
下がります。
ヒョウモンモドキ、もちろんお目にかかったことないですが、やはり生育環境の問題で衰退してしまったのでしょうか。
各地でボランティア活動されている方には頭が下がります。こういう方がいらっしゃるから写真が撮れます。
地元の方たちのボランティア活動、感謝・感謝ですね。今後、末永く生き残ってほしいものです。
ヒメウラナミジャノメとの2ショットが大きさを実感できて嬉しいで
す。
そして何よりこの蛹の美しさ、日本蝶類生態図鑑にも蛹の写真
は載っていないので、こんな美しい蛹もあるのだと知りました。
翅も半ば完成しているように見えます。
今までお目にかかったことがなく、今後もなかなかお目にかかれそうにない蝶ですが、こうしてすてきな写真で美しさを感じられてうれしいです。
こうした地味な作業がやがて実を結ぶのでしょうか。
ヒョウモンチョウの判別はとても難しそうです。
蝶や虫も絶滅への道を進んでいる種がいると思うと複雑ですね。
アザミのチクチク、私には耐えられないと思います(^^;)
保全活動をして下さる方々には、本当に頭が下がります。
身をもってのレポート、ありがとうございます。
保全活動が実を結ぶよう、この頃の気象の激しい変化が影響しないといいなぁと思います。
以前ここにお邪魔したときよりは、一段と厳しい環境になったとのことで心配していましたが、保全活動が無事行われていて一安心です。
そろそろ蝶の写真を撮るだけではなく蝶の保護のお手伝いもしないといけないなと思っていましたので、良いお手本を見せていただきました。
ヒョウモンモドキ、皆さんの努力により元気な姿をみせてくれていて安心しました。
でも厳しいことには変わりないようで、今は飼育ゲージを使っているのですね。
蛹はボランテイア作業のご褒美かな。
このヒメウラナミジャノメは、やや大型の個体でした。
ヒョウモンモドキは、モンシロチョウよりやや大きいので
結構存在感ありました。 今回は野外フィールドでは見
つけられず、自然界で生き残るのはまだまだ厳しそう
でした。
ヒョウモンチョウの仲間は15種類くらい日本に生息
しているそうです。
ヒョウモンモドキの仲間は上の15種とは別に
「ヒョウモンモドキ」、「ウスイロヒョウモンモドキ」、
「コヒョウモンモドキ」の3種が細々と生き残って
います。
ヒョウモンモドキの裏翅は、
色遣いの絶妙さ、模様の繊細さ
何れも最高の芸術作品だと思います。
ヒョウモンモドキの観察会は、日本チョウ類
保全協会か、広島市昆虫館に問い合わせ
ると良いのでは?
ヒメウラナミジャノメとの2ショット実は私もお気に入りです。
特に気弱なヒョウモンモドキ雄の顔も面白いですね!
ヒョウモンモドキの仲間3種は何れもホルスタインのような
斑模様で綺麗です。(他の2種は見ていませんが・・・)
「ヒョウモンモドキ」は、上信地方の山地で運が良ければ
出逢える「コヒョウモンモドキ」とその表翅の模様は近似
しています。
但し、裏翅の模様は独特でとっても素敵でした。
隣接する1市1町に広がるそれ程広くない賀茂世羅台地を
1つのエリアと見ると確かに「生息は…一か所のみ」は残念
ながら正しいと思います。
「生息環境の保全」「域内飼育」ともに地元のボランティア
の方を中心に緊張感を持って保護活動を行っていました。
今回の広島県遠征で良い意味での驚きは
貴兄のご指摘のヒョウモンモドキの目の美しさと、
地元のボランティアの皆さんの熱心さの2点
でした。
いずれにしても無事生き残って欲しいものです。
地元で継続的に保護活動されている皆さんの
ご尽力により、憧れのヒョウモンモドキの成虫、
蛹に出逢えて疲れも吹っ飛び楽しい遠征とな
りました。
未だ生息地拡大について厳しい状況は変わ
らないので、せめて保全活動を支援していき
たいです。
地元のボランティアの方が、厚手の手袋を貸して
くれなかったら即座にアザミの棘でギブアップす
るところでした(笑)。
異常気象による集中豪雨により幼虫の夏眠~
越冬集団が水没して絶滅した野外発生地もあった
とのことです。
それにしても保全活動は大変そうでした。
私が行った軽作業は、地元のボランティアの方が行っている
活動と比べるとほんの遊び程度のものなので恥ずかしい限り
です。これからも地道な活動に支えられて末永く生き延びて
欲しいものです。
こちらこそ今後ともよろしくお願いいたします。
広島県のヒョウモンモドキは、草原性の蝶というよりも
「湿原性」の蝶という感じで、幼虫の食草のキセルアザミ
、成虫の吸蜜源のノアザミがそれなりに密集した環境で
ないと生き残れないとのことでした。
野外フィールドでも地元の皆さん方が、同じような環境を
何か所か保全したり、復元したりの活動を続けていました。
何時の日か私も野外フィールドで逢いたいです!
生息地保全、域内飼育ともに地元のボランティア活動
に支えられて順調に進んでいます。
自然界では集中豪雨による幼虫巣の水没による全滅
があったり、
飼育下でも、雄が成熟しないと交尾しなかったり
雌が充分吸蜜しないと産卵しなかったり
等々生き残るには厳しい状況であることは変わって
いないと思います。
現在、ヒョウモンモドキの保全活動は、
①生息環境の保全、②域内飼育の2本柱で行われて
いました。
何れも、有志の方々だけでなく、地元の皆さん、行政
、地元マスメディア等々が協力して行なっているので
きっと朱鷺の二の舞にならぬと信じています。
沢山のコメントの返事にお疲れのことと思いますが
ごめんなさい。 書き込みしちゃいました。
私も参加して来て感じたことは
大切な蝶を守ってくださる方々のお陰と
日頃の活動に頭が下がる思いでした。
とても貴重な経験でしたし
とても綺麗なヒョウモンモドキでした