絶滅危惧三種(キマダラルリツバメ、チョウセンアカシジミ、グンバイトンボ)
2011年 07月 03日
まずはこの時期の憧れ「キマダラルリツバメ」です。7月1日掲載した「オオヒカゲ」と対極をなすような小さく、機敏なシジミチョウです。セセリチョウが飛ぶように弾丸のようにビューンとやってきて、また突然凄いスピードで去っていきました。掲載した画像は、会津地方では珍しい、表翅に青く輝く部分の少ない関東亜種に近い「減退型」の♂です。
「東北亜種」♂は表翅に青く輝く部分が広く綺麗ですが、ピントを合わせて上手くシャッターが押せず後姿がやっとでした。
♀は♂と比べると少し「おっとり」していて、花に一旦止まり吸蜜を始めると多少驚かせても30分ほどじっとしてくれました。
会津三島町の「キマダラルリツバメ」は町の「天然記念物」に指定され、地元の角田さんを中心に生態系も含めて大切に保護されています。当然「卵」「幼虫」「蛹」「成虫」全て採取禁止です。ゆえに、本日掲載の種の中では少しは安心出来るようです。
「チョウセンアカシジミ」は岩手県の一部と、山形県~新潟県の極一部しか生息していません。この新潟県の個体は人為放蝶したものが居ついたようです。
車の中で「食樹トネリコの木が伐採されていなければ良いが」と心配していたら、昨年存在した食樹の内、既に1/3もが伐採され無くなっていました。当然、昨年より個体数が減少していました。
残りの食樹を保護するためには一般に公開は必須でしょうが、狭い場所なので、公開すれば採取者が殺到しあっと言う間に本当に絶滅してしまいそうです。人為放蝶の生き残りと思われるので、天然記念物指定、生息環境保全を同時に行うのは難しいでしょう。とても悩ましい問題です。
この子は新潟からキマダラルリツバメの保護地域に持ってきた「トネリコ」の木に偶然卵が付いていて会津三島町で増えたようです。
♀は、食樹の幹を歩いて産卵ポイントを探して、
卵は数個まとめて幹に産みつけられていました。
本来の生息地で生きながらえるのがベストと思いますが、食樹の保護、採取の禁止を徹底させて上記新潟県やこの会津三島町などでも生き残って欲しいものです。
6月26日撮影した脚に白い紡錘状のものを付けたような珍妙なトンボはその紡錘状のものの形状より「グンバイ(軍配)トンボ」という名前です。モノサシトンボの仲間でとても細く、小さなイトトンボです。何故このような「軍配」を脚に付けているのか謎?です。また、この個体は、まだ色が「黄色」主体で弱令個体のようです。
前からの写真を見ると良く分かりますが「軍配」は扁平であることが判ります。色が青いことより成熟した個体と思われます。
生息地は綺麗な湧水の傍の緩やかな清流です。このトンボの保全の為には、採取圧を無くし、水環境の保全も行う必要があり上記2種の蝶以上にハードルが高いと感じました。ゆえに撮影場所は明記いたしません。
キマダラルリツバメ、表も素敵ですが裏の模様のなんと艶やかなこと・・!
守っていくことの難しさも同時に感じさせられました。
グンバイトンボ、なんともお洒落なアンクレットをつけていますね^^
不思議だなあ。。
一枚目のキマルリは本当に黒いですね。
トンボはほっとんど探したりしないので種類もいまいちわからないのですが、これは個性的ですね(^^)
絶滅危惧種という視点からこの3種を取り上げたアイデアもグッドでした。
人為放蝶の希少種を保護すべきかどうかというのは難しい問題ですね。
ここのチョウアカは、はたして喜んで撮影しても良いのかどうか、キマルリの保護をしている人が、こんなことを平気でして良いのかとか色々考えさせられる対象ですが、撮影する側にとっては1種増えてうれしいことはうれしいですね。
キマルリ、チョウセンアカの保護と人為放蝶、食樹を含めた環境保全は、私のような撮影者の視点と、自然保護の本当の視点はかなり違うと思います。しかしながら新潟のポイントのようにほぼかって生息したであろう環境に放蝶し自然に増えた場合、私は「保護もあり」ではないかと考えています。
グンバイトンボは上記2種に勝るとも劣らぬ希少種のようです。見れば見るほど珍妙な「軍配」を脚につけておりました。
たまたま絶滅危惧3種をほぼ同時に撮影したので一気に掲載してみました。
キマダラルリツバメのように「尾状突起」が2対4本もあるシジミチョウの仲間は熱帯地方を中心に数十種いるようです。日本に居るのは残念ながらこの子だけかな?
キマダラルリツバメは南方系の蝶で、東日本より、滋賀県、京都府、兵庫県、鳥取県を中心に西日本に広く分布しているそうです。
チョウセンアカシジミは↑の記載の通り継続的に生き残っているのは岩手県の一部、山形~新潟県にかけてのごく一部のみです。
グンバイトンボはキマルリと同じく西日本に広く分布しているそうです。しかし、緩やかな流れの清水でしか生き残れない、さらに小さいので簡単には見つけられないとのことでした。
上2種は昨年もyodaさんに同行して観察していたので楽勝と思いましたが、数百枚撮ってまあまあなのが掲載したくらいでした。来年こそはもう少しバシッと決めたいです。
トンボは、私もド素人でこのように特徴的な種を除くと皆さんに現地で聞いてメモらないと殆ど判別出来ません。
yodaさんの立案の素晴らしさとmaximiechanの運転により予定以上の成果を挙げることが出来ました。
この黒い個体は、第2ポイントのリーダーのようで♀にアピールしやすい場所でしっかり翅を広げてサービスしてくれました。
先日はお世話になりました。
①予想していたものの新潟のポイントのトネリコの1/3伐採はショックでした。まずこの点は必ず記載する。
②キマルリも好きな蝶で直ぐに掲載したい。
③グンバイトンボもこれ以上後回しにしたくない。
等々でこの配列になりました。
訴えたかった①が、どこまで皆さんに伝わったか疑問ですが?
噂ではキマルリが鳥取、兵庫県、京都府あたりではそこそこ居る?とのことですが、小さく素早いのと、活動時間が限定されているので写しにくい蝶なのでしょうね!私は保護している方のご指導で観察したので何とか出会うことが出来ました。
キマルリは保護地域以外で見つけるのは私の視力では全く不可能だと思いました。一度この時期、会津三島町まで遠征してみては!とっても素敵な蝶ですよ。
後翅先端にオレンジの紋があるので、減退型はミドリシジミ♀のAB型のようでとても綺麗でした。本当は通常の青い翅の個体をきっちり写したかったのですが・・・・・・・・
新潟のポイントの例のように本来生息していたであろう環境に人為的に持ち込まれて増えて、定着した場合「保護は有り」と考えても良いのではと思います。トネリコの木が1/3程度根こそぎ伐採されていたのはショックでした。
キマルリ減退型は自分としては結構気にいっています。有難うございます。
チョウセンアカシジミについては、新潟県と福島県の例は別に考えるべきと愚考しています。かって昔は、生息していたであろう場所に人為放蝶きれた希少種の保護について議論する必要があるのではと思います。それにしても新潟のポイントのトネリコの木が1/3根こそぎ切られているのはショックでした。
キマダラルリツバメやチョウセンアカシジミ、ほんと貴重な蝶達ですね・・
まだ見たことは無いので一度見てみたいですね^^ シッカリ、撮られて
いて参考になります。グンバイトンボも初めてですが、珍しいですね。
福島県における蝶2種は「雪国茶屋」のhp上で毎年、発生状況、観察会などが掲載されています。ぜひ一度hpを覗いてみて下さい。
北海道遠征お疲れさまでした。こちらは暑いでしょ!
福島県の蝶2種は角田さんのhpをチエックしていると出会えると思います。神奈川県からだと少し時間がかかりますが・・・・・・・。ぜひ訪問してみて下さい。
訪問ありがとうございます。
ゴマシジミのポイントの状況を考えるとご指摘の通り
撮影者も生息環境を考慮する必要を感じます。
今年、採取が微妙な某有名ポイントで採取者との関
係に悩むことがありました。来年からは、採取禁止
エリアか、採取者が狙わないような極々普通の昆虫
を丁寧に撮影していきたいです。
アカボシゴマダラは、関東地方南部では爆発的に
増えており今後の動向に注意していきます。
ホソオチョウは発生が局所的、散発的なことより、
人為的、かつ継続的に持ち込んでいるのでは?
と疑っています。