スジブトヒラタクワガタ in自宅
2010年 03月 06日
「スジブトヒラタクワガタ」です。今も3匹飼育していますが、3年前には
この種だけで30匹くらい飼っていました。
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体長65.5mmと飼育した中で最大級の♂です。自然界でこの大きさを採取す
るのは困難と思われます。
このクワガタは、2つの意味で非常に特長的です。
①大型の♂にもその名前の由来となる綺麗な太い筋が前翅にあることです。
このような筋は♀や、小さな♂に現れる種もいますが、60mmを越すよ
うな大型個体で現れるのはこの種類だけだそうです。
②日本の奄美諸島のみに生息し、世界中でこの種の近縁種は見つかってい
ないことも大きな特徴です。DNA解析の結果、台湾のミヤマヒラタクワ
ガタが比較的近い種類とのことです。
上記2点の特長を持つ変ったクワガタですので、鳥のトキや、アマミノクロ
ウサギ、ツシマヤマネコ、イリオモテヤマネコ、オガサワラシジミのように
その環境毎、保護されても不思議ではないと思うのですが・・・・
鹿児島県の準絶滅危惧種には指定されているだけのようです。
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比較的大型の幼虫です。この種は、採取♀個体から産卵させることと、幼虫を
大きく育てるのが少し難しいです。
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あまり器用な方ではないので前蛹~羽化直後にかけてクワガタに刺激を与えぬ
ように飼育しています。この蛹は誤って前蛹状態で掘り出したのでスポンジ製
の蛹室を与えて蛹化させました。
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上の蛹が、無事羽化しました。羽化直後は翅が柔らかく色も赤っぽいです。
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このクワガタムシは比較的長生きで上記蛹と同一個体がこの時点でも元気です。
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クワガタの♀はどれも♂に比べると地味ですが、この種は前翅の筋が彫金のように
クリアーでとても綺麗です。
僕は飼育が大の苦手なので、沢山飼育出来るヒメオオさんが本当に凄いと思います。
羽化する様子をいながらに観察できるのは興味深いと思います。
成虫になるまで1~2年かかるみたいですね。
足立区に蝶の温室があるそうで、ゴマダラチョウなど数百匹が舞っているそうですよ。
クワガタの飼育は10年くらい前のオオクワガタの飼育ブーム
でknow howが蓄積されているので手間とお金がかかりま
すが、比較的容易です。その中でもヒラタクワガタの仲間は
夏場に30℃を越さないように温度管理するだけなのでさらに
簡単です。
ヒメオオクワガタの飼育はまだ産卵させるのに苦労しています。
この3~5枚の個体以外は羽化直後の観察はまだ出来ていません。
前蛹~羽化までの間に変な刺激を与えると羽化不全をおこしたり場合
によっては死んでしまうので要注意だからです。
孵化から成虫までの期間は温度条件、栄養条件等により変化するよう
ですが、この種は私が飼育した限りでは凡そ1年弱で羽化しました。
また、自然界のオオイチモンジ等の蝶と異なり小型個体の多い♀の方が
全て先に羽化しました。
足立区の温室hpで確認しました。オオゴマダラとか10種程度の蝶が
居るようですね!先日掲載したアゲハのDVDの吸蜜の研究はこの
温室の協力を得て行ったそうです。
今度天気の悪い日に出かけてみます。
クワガタの写真はあまり撮っていないので直ぐに種が
尽きてしまいます。
自然界でも撮影出来れば良いのですが、暗いところか
、隙間か、木の高いところに居る事が多いのであまり
旨く写せません。
ヒラタクワガタの仲間も世界中に30種以上いそうですが、
スジブトヒラタは最大でも70mm程度しか見つかっていません。
パラワンヒラタは日本にもいる普通のヒラタクワガタの亜種です
が、最大110mmというクワガタの中で最大級の大きさです。
私はパラワンの飼育はありませんが、クワガタショップで見て
その巨大さに圧倒されています。